トートバッグ
仕事で、近くのお得意さんが入っているビルまで歩いて行った。
あと少しで到着と、思った歩道の背後で大きな音がした。
振り返ると、やや年配のサラリーマン風のおじさんと、自転車に乗った若い人とがぶつかったようだ。
自転車があたった拍子に、おじさんのトートバッグが裂けた。
自転車はそのまま走り去った。
おじさんは「ひどいなあ」とひとりごとを言いながら、地面に落ちた携帯や書類を拾い始めた。
かなり派手な音がしたので、周囲の人2,3人が手伝う。
私もと思ったが「バックが裂けている」
今どきはレジ袋代わりの簡易バックを持っているので「良かったらお使いになります?」と尋ねるがおじさんは愛想なしで「いいです」と受け取らない。
もう1人若いお兄さん。
「僕は営業マンです。ちょうどサービスで、携帯バックをお客さんにお渡ししています。どうぞ使ってください。」
おじさんはそのバックは黙って受け取った。
照れくさいのか?感謝の言葉は出ない。
あのおじさん、感情表現は多分下手だと思う。
あのお兄さんは、いい営業成績を上げているだろうと思った。
ひとりごと
歩きながら一人でしゃべっている人が増えた。
大概は、若い人。はて?とつい耳を見る。
耳にワイアレスイヤホンが入っていると電話中。
イヤホンが無いとちょっと困る(-_-;)
金魚すくい
小学生の時は、よく作文を書かされた。
イヤイヤ書いた。
漢字も適当で辞書など引かない。
「祭りで金魚すくいをしました。金魚を一匹すくいました。金魚すくいのおじさんが、すくった一匹をビニール袋に入れてくれました」程度の内容。今と同じで面白くもなんともない文章。
今は、スマホで文章を作ることも多い。
喫茶店とかで人混みに紛れて、一人でスマホに向かうのが好きだ。
スマホでの文章作りは、漢字に変換したり、カットしたり増やしたり、入れ替えたり結構自由にできて楽である。
しゃれた言葉が、はずみに出てきて文章作りのヒントになったりで、いつもおばさんは有難いと思っている。
この相場表ACEは、いつも期限に追われて息切れしながら作っている。
小学生の宿題の作文の時の心境とそう変わらない。
話を元に戻すが、その時一匹の匹を四と書いてしまった。
先生が14匹と勝手に思ってくれた。
14匹すくったと、先生が訂正した作文になってクラスの文集が出来上がっていた。
私は文集を見て、間違っていることに初めて気がついた。
母がその文集を見ておかしいといった。
はったりを書く娘に、見られると思ったのだろう。
娘の作文に心痛めた母親だった。